@小樽の事務所から
車屋Alluでは欧州車をオススメしています。
故障や修理費がかかるのは勘弁。壊れず安心して乗りたいというのであれば、正直、欧州車はお薦めません。
これまで、個人的には欧州車をオススメしているものの、車屋Alluでの販売となると少し躊躇していました。それは保証期間が短いからでした。
ですが、ちょっと最近は考え直しています。
この車屋を始める前に提携先を探すときに、最優先にしたのが、保証内容の充実度です。
選んだときにもリサーチしましたが、さらにリサーチを進めていくうちに、うちで用意できる保証内容は本当に秀逸であることがわかってきました。
3年保証をつけられるお店もありますが、修理費用に上限があるため、3年間すべての期間で修理全てを賄うのは実質難しいモノがほとんど。
ですが、車屋Alluの保証は基本上限金額なし。さらに保険期間が短いことを補うツールも新たに見つかったので、抱き合わせでの提案をすることでこれは実は相当な強みということが改めてわかりました。
ということで、車屋Alluは欧州車を本気でオススメします。
さあ、欧州車をオススメする理由を熱く語っていきます!
欧州車オススメ理由その1 衝突安全のレベルの高さ
同じ車格の車が直接衝突ときには、欧州車の方が国産車よりも潰れない。
その理由は、ヨーロッパ各国の交通事故死の約50%が自動車乗車中の事故によるものだからです。
対して日本は、歩行者と車の事故の割合が多い傾向があります。
ここから導かれる答えは
欧州自動車メーカーは、可能な限り自動車乗車中の事故での死亡者を減らしたいと考えているということ。

致命傷になるかならないかはキャビンの強度も大切
ボルボは自社の車での死亡事故ゼロを目指し宣言している数少ないメーカーです。
(最近、ボルボは人気だったV40というコンパクトクラスの販売をやめました。その理由は自社の安全基準を満たさないからというものでした)
メルセデスは50年以上前から、事故現場に足を運び、事故原因を特定する調査を続けてきている唯一無二のメーカーです。
そして、欧州市場でこの2メーカーと渡り合うために、各メーカーとも衝突しても致命傷にならない研究をつづけています。
各メーカーが目指している、そのひとつの答えが、
「乗員への衝撃を増やさずに、キャビンがどれだけ潰れない車に出来るか?」
です。
潰れることで衝撃を吸収し、乗員へのダメージを軽減しなければならないので、ただ潰れなくすれば良いわけではありません。
そこが、車両安全設計のむずかしいところであり、メーカーのさじ加減が現れてくるところでもあります。
同格の欧州車と日本車を衝突したテストでは、その思いが明らかに結果になっている事例が多くあります。
単独のテストではかなり優秀な日本車も欧州車と直接衝突したときには、キャビンの変形が大きく、ドアが開かなく事例もあります。
これは都市伝説になりつつありますが、ボルボとトラックがぶつかっても、ボルボはほとんどへこまず、キャビンは全く変形していなかったという動画も多々あります。
参考までにヨーロッパの衝突安全テストのデータを見ると
1 ボルボ
2 フォルクスワーゲン
3 メルセデスベンツ・アウディ
4 BMW
この5社が少し突出している状態で
この後にルノー、プジョーが続きます。
国産勢では
マツダと日産が頑張っている印象。
特にマツダの最新モデルは、ボルボに肉薄する好データを記録しています。
単独事故テストでも、実は欧州車有名ブランドの優位性は若干あるように思いますが、実際の事故の場合は、その差がさらに顕著になるようです。
一方、日本は歩行者と自動車の接触による死亡事故が36%を占めており、事故の傾向が欧州とは異なります。
そのため、日本車のぶつからない技術についての先進性は世界トップレベルになっています。
もちろん、欧州車のぶつからない技術が決して劣っているわけではなく、日本車と遜色ない性能を持っています。

こういった背景から、欧州車はぶつかったときに、いかに乗員に日本車よりも致命傷を負わせないかを考えていると思います。実際、衝突安全テストのデータやテスト動画を見ても、潰れないことによる乗員保護という点では、欧州のトップメーカーに一日の長があるのは明白です。
ちなみに北海道の場合は、死亡事故は自動車運転中の割合が他県よりも多く、欧州と傾向が似ています。
北海道で運転中に致命傷を負わないためには、欧州車を選んだ方が良いのではないかとわたしは思います。
また、北海道の場合、軽自動車乗車中の死亡事故も多いのではないかと推測します。速度が他県よりも高く、正面衝突の割合が多い傾向があります。
正面衝突の場合は、重くて大きい車の乗員よりも小さくて軽い軽自動車の乗員は致命傷になりやすいからです。
欧州車オススメの理由2 走る・曲がる・止まるの性能のバランスの高さ
欧州の走行環境は日本よりも過酷です。
何が車にとって過酷かリストアップしてみました。
1 速度域が高い
郊外道は90~100キロ規制の国が多い。高速道路も130キロ以上がほとんど
2 路面はかなり荒れていてアンジュレーションがある
3 道は決して広くはない
4 移動距離が長い
これらの要因があるが故、車を運転するときに、ドライバーができるだけ思った通りに車が動くことがとても重要です。
また、横滑り防止装置やABSの制御なども、欧州車の方が優秀。これは散々多くの車を乗ってきた経験から断言できます。
もちろん、国産車でも欧州車に近いレベルの制御をしている車がないわけではありません。
ですが、同クラスで比べた場合には、欧州車を超える日本車は数少ないといわざるを得ないというのが実情です。
海外でよく行われている「ムーステスト」での比較でも、日本車はあまり良い結果を出せていません。
対して欧州車は、各メーカーとも走りの性能には力を入れているだけあって、素晴らしい結果を残している車が非常に多いです。
とくにSUVのような背が高い車の場合、日本車であまり良い評価を得ている車は少ないですが、欧州車は軒並み、セダン顔負けのパフォーマンスを示す車が多くあります。
もちろん、車の走行性能やタイヤ性能、電子制御のバランスが大切なので、良い動きをしない車は欧州車にもあるにはあります。
その理由として開発時の圧倒的なテスト量があげられます。
特にポルシェ、メルセデスは他社を圧倒的に凌駕するテストを重ね、走行性能を高めています。
BMW、VWグループやルノー、プジョーも同様に走り込みの量はかなり多いようです。
日本車はどうしてもこの走り込みの部分では劣ると言わざるを得ない。というのが現実です。
それが、ムーステストや実走行でのフィーリングの差に現れています。
人間の感性にどこまでも寄り添う。かつ、各メーカーの走行性能に対するこだわりを反映させる。そんないわゆる 味と一体感が欧州車の多くの車にはあります。
一方で、日本車は、「あー、このフィーリングはトヨタだよね。とか日産だよね。」という信念が一貫していないのです。
日本車ではスバルやマツダには多少、一貫したポリシーを感じます。
が、日本車は個々の車が、個々の理想で作られている。そして、どの車も基本は優等生を目指しています。
だから、走ってみると「とても良い車」だけど、つまらない、ワクワクしないというのが、わたしの日本車への感想です。
最近も、ホンダ、トヨタ、日産、マツダ、三菱などの最新モデルを試乗しました。ですが、ドライブしているときに
「オッ! すご」とか「オー!」とか、「うーん。素晴らしい」という感嘆符はまず出てきません。
一方で欧州車は、この感嘆符が出てくる。
欧州車もメルセデス、ボルボ、ルノー、プジョー、BMW、VW、ミニ、アルファロメオ、フィアットなどに最近乗りましたが、どれも声を発したくなるほどの魅力が走行性能や操縦性、運転中に感じるものにあります。
ドライバーの意図に対して、なんらかのボールを投げ返してくれるのが欧州車。そのボールがなんとなくフワッとしているのが、国産車という印象です。
欧州車はしっかりと投げ返してくれるので、運転していて欧州車は楽しい。と感じるのです。
そして、これは安心にも繋がります。信頼できるパートナー。自分の思いを実際の走行に反映してくれる素晴らしい相棒です。
このぐらい加速したい。このぐらい曲がって欲しい。このぐらい止まって欲しい。ドライバーの意図をとらえつつ。
「どうだ、このフィーリング!」というボールを返してくれる。
そのボールに、「ナイスボール」「ストライク」「ファンタスティック」といった感嘆符が漏れるのです。
欧州車オススメの理由3 シートが秀逸
かれこれ5台程度、欧州車を所有してきましたし、出版社時代を含めると軽く50台以上は欧州車に乗ってきました。
その中で、ただ一台としてシートが良くないと感じた車はありませんでした。
一方、国産車はどうかというと、正直、ただ一台として欧州車レベルになっていると感じた車はありません。(仕様でレカロシートなどを標準のモデルを除く)
レカロというメーカーをご存じでしょうか?
ドイツのシート専門メーカーで、医療器具としてのイスもつくっています。飛行機のシートも作っており、「RECARO」の文字を目にしたことのある方もいるでしょう。
いまはどうかわかりませんが、欧州各国のメーカーのシートを作っているメーカーでもあります。一時期はBMWのシートを製作していたこともあります。
欧州車のシートの何が良いかというと、とにかく疲れないことです。
もちろん、ただしい操縦姿勢を取るという前提の話ではありますが、欧州車で1日500キロ以上、何度も移動した経験からも明言します。
欧州車のシートは最幸です笑
長距離のドライブをする方には、この意味からも欧州車を絶対的にオススメします。
ということで、まだまだオススメのポイントがありますが、ここからは欧州車を所有するデメリットについても触れておきたいと思います。
欧州車所有のデメリット1 燃料がハイオクの車が多い
欧州車のガソリンモデル、ハイブリッドモデルはほぼ間違いなくハイオク車です。
ですので、レギュラーよりも12円/リッター程度高くなります。
最新のコンパクトカークラスで10000キロ走行で比較すると
リッター20km
レギュラー車
165円/リッターとすると
82,500円
リッター15km
ハイオク車
177円/リッターとすると
118,000円
その差35,000円と少し。月間換算で3,000円プラスです。
これが中古のコンパクトカーになると
リッター12km
ハイオク
177円/リッター
148,000円
その差、65,000円と少し。月間換算で5,500円程度プラス。
これを損と考えるどうかが、欧州車オーナーになれるかどうかのひとつの分かれ道ですね。
この費用と、走行のフィーリングや所有感が比べて、価値ありと思わない方は、欧州車はオススメしません。国産の手頃な車をオススメします。
欧州車デメリット2 国産車よりも壊れる+メンテ代がかかる
某英国の自動車雑誌のジャーナリストがこんな言葉を記事にしていました。
「日本車はクレイジー! 壊れなさすぎる」
といったニュアンスの話をしていました。
欧州の常識は、車はメンテして、修理して乗るもの。機械なんだから当たり前という考えです。
ですので、実はパーツは結構安いのが実情。
というのも、ヨーロッパでは純正部品と同等レベルのクオリティの社外品やリビルド品が数多く販売されています。
ですので、新車を買ったあと保証期間が切れた後は、純正部品ではなく、ほぼ間違いなく社外品を使います。そうすることで、修理費用、部品代を極力かけずに修理やメンテを行っているのが実情。
日本では車は買ったディーラーで見てもらうという方が多いので、修理費用がかさむことがありますが、ヨーロッパではドライバーは車と上手く付き合っているということでしょう。
ちなみにヨーロッパの多くの国が自動車にかかる税金も安いですし、車検費用も安い国が多いです。
また車検も整備してから受けるのではなく、受けた後、問題のあるところを修理して再検査という仕組みを使っている場合が多く、車検前に点検費用がかかる日本とは異なります。
そういう文化ですので、車は修理して、メンテして乗るものという価値観が根付いているわけです。
ドイツでは13年以上たった車は減税になり、日本では13年たつと増税になる。
このことからも車に対する関わり方の違い、文化の違い。行政の車に対する捉え方の違いが見て取れます。
というのも、日本は5年以内に壊れるとクレームになることもあるようでして…。
ヨーロッパ人のつぶやき
機械なんだから、壊れるしメンテするのが当たり前。かかる費用を抑えられればOKだよね
日本人のつぶやき
高いお金を出して車を買っているんだから、壊れたり整備にお金がかかるのはもってのほか!
極端にまとめると、これぐらい車に関する捉え方が違うようです。
ですから、日本車と同じ基準で欧州車を見て、修理代やメンテナンス費用がかかるのが嫌だというのであれば、欧州車という選択はなくなります。
ですが、車はメンテもして、壊れたら修理もして大事に乗りたい。その代わり、運転するときの安心や安全、楽しさを享受したいという方。車は自分の大事なパートナーという方には欧州車は断然オススメです。
先日、わたしのプジョーのエンジンオイルを交換しました。その際に、エンジン内部をキレイにするフラッシングもしてもらいました。
そうすると、音は静かになるし、燃費が5%から10%程度良くなりました。
13万キロを走っているエンジンですので、相当やれてきているはずですが、必要なメンテナンスをしてあげれば、良い状態をキープできるのが車です。
そしてメンテ面でのデメリットのひとつが、ブレーキ回りが、国産車よりも確実に減ること。
なので、メンテナンスの周期も3万キロ程度。
国産車は5年5万キロはほぼノーメンテの車がほとんど。むしろ5万キロ以内に交換になるとクレームに近い状態になると聞いたこともあります。
欧州車の場合、ブレーキ回りはメンテナンス費用がどうしてもかかってしまうパーツのひとつです。
とはいえ、これもメーカーが理想とする、効きとコントロール性を達成するためのパーツなので致し方ないと思います。
日本車のブレーキは、正直、コントロール性と耐フェード性(この性能が高いと温度が上がってもブレーキが効かなくなりずらい)では劣ります。
わたしは日本車に乗っていたときは、社外の効きがよく、操作フィーリングの良いブレーキに交換していました。
ということで、車は、ボディのメンテ、下回りのメンテ、エンジン、ブレーキのメンテ。どれもこれも適切な時期に実施することで、いつも快適にキレイな状態で車を乗り続けられるワケです。
いや~、車は買ったらメンテや修理にもお金をかけたくないというのであれば、何度もいいますが欧州車を選ぶべきではありません!
欧州車のデメリット3 見てくれるディーラーや工場が少ない
中古の欧州車は整備や修理では、絶対にディーラーに入れてはいけません。
ディーラーは基本、すべてユニット交換。プラス使うパーツは純正部品がほとんど。
ですので、必然的にコストがかかります。
その費用を躊躇なく支払えるのであれば、ディーラーもありですが、わたしはオススメはしません。
ディーラーの整備方法は、次の故障のリスクを限りなく減らすために、怪しいところを全て変えるユニット交換が基本です。
このやり方は、修理リスクを減らすという意味では、とても良い方法です。
ですが、一方で壊れていない部品も交換する。まだ使える部品も交換するということ。
その点、腕のある街工場でしたら、壊れた部品だけを変えてくれるお店が多いです。
わたし自身、一昨年、エアコンが効かなくなり、ディーラーに持ち込んだところ
ユニット交換で総額30万円程度でした。
それが、お世話になっている工場さんでは
工賃込で4万円未満で直すことが出来ました。
交換した部品はたったの数千円程度。
それも、ある特殊ルートで安く見つけてくれました。
その後、4万キロ近く走っていますが、関連する部分では、まったくのノートラブルです。
こういったことがあるあるなのが、欧州車。
ですので、どこに整備を頼むかで、車ライフに大きな影響があるわけです。
とはいえ、工場に行くのが大変という話もありますよね。
国産車ならそこいら中にディーラーがありますから。
ですが、中古車なら国産車も同じ。
ディーラーにもって行くとユニット交換。費用はかかるものです。
国産車の場合も新車保証が切れた中古車なら、腕のある街工場択一です!
車屋Alluで買って頂いた方には、オススメの街工場はご紹介します!
まとめ
北海道という環境を考えるときに、欧州車は日本のどの地域よりも向いているように思います。
法定速度という縛りはあるものの、実質的には幹線道路や郊外の道路では、もう少し速い速度で流れていることも多々あります。
流れに乗らないことで、かえって危ない目にあうことすらあります。
自分の安全や周りの安全に配慮したときに、法定速度よりもやや速くなる状況はよくあることだと経験したことがある方もいるのではないでしょうか?
わたし自身も、少なからずあります。
そういう点でも、速度が出たときの安全性能は非常に大切だと考えます。
自分が事故を起こさなくても、対向車線からはみ出してきたら、脇道から突然飛び出してきたら…。
そんなときに致命傷をできるだけ回避できるよう作られた車。衝突を避けられる操縦性と安定性を持った車をわたしは選んでもらいたいと思っています。
日本車でも、走行安全性という意味で、オススメできる車も何車種かあります。
ですが、何車種かなんです。
この観点からみても、軽自動車はできる限りオススメしたくない。というのが車屋Alluのポリシーです。
車の事故で、必要以上な不幸な状態にならないためにも、その不幸を避けられる可能性を高めておきたい。
その可能性を高められる車に乗ってもらいたい。それが車屋Alluの切なる願いです。
たまたまわたしが目にするかもしれませんが、
ニュースなどで
「軽自動車に乗った……」。という不幸な事故を耳にする機会が決して少なくありません。
その人が、もう少し大きい車に乗っていたら、欧州車に乗っていたら…。と思うと、本当に悲しい気持ちになります。
車で誰も不幸にしたくない。
車屋Alluは本気でそう思っています!