@小樽のオフィスにて
車屋Alluのもうひとつのこだわり。
それは軽自動車をオススメしないということです。
その理由とウンチクをお伝えしていきます。
ちょっとややこしい話も含まれておりますので、あまり興味のない方はスルーしてください。
また軽自動車にお乗りの方も不快な思いをさせるかもしれませんので、スルーしていただけると良いかと…。
1 サイズの小いささは生存マージンの少なさと直結する+軽さが生む危険
軽自動車と他のクラスサイズ比較をしてみましょう
クラス |
軽自動車 ホンダNワゴン |
コンパクト トヨタヤリス |
ミドルクラス トヨタプリウス |
SUV 日産エクストレイル |
ミニバン トヨタノア |
全長(m) |
3.4 |
4.0 |
4.6 |
4.7 |
4.7 |
全幅(m) |
1.48 |
1.695 |
1.75 |
1.84 |
1.73 |
室内長(m) |
2.055 |
1.845 |
2.110 |
2.530 |
2.805 |
室内幅(m) |
1.350 |
1.450 |
1.490 |
1.540 |
1.470 |
幅マージン(cm) |
13 |
24.5 |
26 |
30 |
26 |
車重(kg) |
910 |
1100 |
1460 |
1890 |
1710 |
まずは幅マージンに注目してください。
軽自動車は他のクラスと比べて11.5cmから13cm幅マージンが少ないことがわかります。
さらに軽自動車と他クラスにはドア厚の違いもあります。
この差は、わたしは衝突時の安全に大きく影響があると思っています。
また、幅だけでなく、長さマージンでも大きな差があります。
(表データでは最低55センチの差)
つまり衝突時のマージンが少ないのです。
巷で行われている衝突安全テストは、前提として同じ車重の車両と衝突したシミュレーションに過ぎません。
車格の大きな車と接触した場合は、軽自動車の方が潰れてしまう事は、言うまでもありません。
もうひとつ注目していただきたいのが、車重です。
運動エネルギーは車重に比例します。
対コンパクトカーでは1.2倍のエネルギーを受け止め、最も重いSUVの場合は2倍のエネルギーを受け止めければなりません。
実際は、衝突後、ある程度エネルギーを受け止めた後、軽自動車は飛ばされてしまいます。
これが二次事故を引き起こします。
車がぶつかった後、ガードレール、電柱、対向車線などに飛ばされて再度衝突するリスクも大きいわけです。
一度の接触でもダメージが大きいにも関わらず、二度目の接触が起こる可能性も、軽さゆえに起こりやすいのです。
2 パワーが少ない
わたしは車の危険回避能力のひとつに、加速性能は必要だと思っています。
軽自動車はゼロ加速、中間加速ともパワーが足りずに加速面で他のクラスに劣ることがあります。ターボモデルはコンパクトカーを凌駕する性能を持っている場合もありますが、ノンターボモデルは明らかに加速性能は低いと言わざるを得ません。
減速が危険回避の第一選択肢、次にステアリングによる回避が第二選択肢となります。が、第三の選択に加速があることにより、状況に応じた回避の可能性が広がるとわたしは考えています。
とても特殊な事例ですが、加速性能が命を守った事例を紹介します。
実質、このケースでは法定速度は超過していますが、そのおかげでドライバーの命が守られました。
その事例というのが
トンネル崩落事故で、危険を感じたドライバーが加速し速度をあげたことで、崩落しつづけるトンネルを抜け切ったというものです。
結果として、速度は明らかに法定速度を超えた状態ではあったものの、車は屋根がボコボコになりつつもドライバーは無傷でした。
この車が加速性能に優れた馬力のある車でなかったなら、このように無傷でトンネルを抜け切ることはできなかったかもしれません。
軽自動車にはこれは無理です。
この点でいえば、実は多くの日本車も不十分なパワーと言わざるを得ません。
もちろん、わたしの乗っているプジョー208も例外ではありません。
ですが、それでも軽自動車よりは(一部のターボモデルを除く)速いですので、危険回避の可能性は高いとわたしは考えます。
つまるところ、軽自動車のノンターボモデルはパワーが不足し過ぎていると、わたしは強く感じているわけです。
今回ご紹介したのは特殊な事例ですが、加速性能は危険回避の一つの手段になることは間違いありません。
わたしは二車線道路で、隣の車と並走するのが嫌いです。
それは危険回避のマージンが狭くなるからです。
それを避けるためには、減速あるいは加速が選択肢になることがあります。
また、高速道路の合流などでも、加速性能が高い方が、合流車線、あるいは走行車線を走行しているいずれの場合も選択肢が広がると思っています。
というわけで、加速性能の低い軽自動車はベターな選択ではないと、わたしは考えます。
まとめ
軽自動車は日本が誇る優れた自動車です。
燃料費用
タイヤや消耗品がリーズナブルに手に入る
税金などの諸費用が安い
といったことから、経済性という意味では普通車以上のクラスは到底敵いません。
ですが、安全性という観点から考えると、わたしはオススメできません。
速度域の低い市街地走行はまだしも、比較的速度の高い郊外路、高速道路などを頻繁に走る方には特にオススメしたくないのです。
それは、わたしの大好きな車で、誰も大怪我をしてほしくない。まして命を落としてほしくないと思っているからです。
これはわたしの経験談ですが、
わたしが直進のときに、右折車が私に気づかず曲がってきたことがあり、その車の側面に衝突しました。
速度も出ていたので、こちらの車は全損。こちらの同乗者もかなりの怪我をしましたが、相手の車の後部座席はかなり潰れてしまい、乗っていた方は大怪我を負いました。
相手の車は軽自動車ではありませんでしたが、わたしが当時乗っていた車よりも小さい車でした。
それだけが理由ではないですが、相手の車の側面は大きく潰れていました。
幅マージンは、こんな時に大きな差になると思っています。
というわけで、車屋Alluは軽自動車を販売することはありません!