時代の流れに乗る〜ポルシェの全ての車が電気自動車に???
From 松永和仁
@小樽のオフィス
最近、各メーカーがこぞって電気自動車を発表しています。
私は電気自動車はあまり好きではありません。モーターの一次曲線に近い特性が嫌いなのです。
そんな中、ポルシェが今後、人気モデルを電動化していく方針を強めてきました。
私はどう感じているのか? そしてそこから何を考えたのかをまとめてみました
Table of Contents
何故だかポルシェなら許せる
ポルシェが
相次いで次期モデルのオール電動化を進めるという噂?
が広まっています。
アメリカではメーカー全体の生産している車の総排出ガスの量で
関税がかかるような制度があります。
そのため、各メーカーは自社の生産した車の、CO2排出量を下げるために
電気自動車を出したり、ハイブリッドカーを出したりしているワケです。
(環境に貢献したいという信念ももちろんあるとは思います)
そんな中、アメリカの大きなマーケットで
販売を落とさないためにポルシェも
やむなく電動化を進めているのかもしれません。
当初、ポルシェが電気自動車を出すと言った時、それ以外のモデルは違うから大丈夫。
今まで通りエンジンのモデルが多くあるから問題なし!
と思っていました。
ですが、ここに来て、人気のモデルを相次いで電動化することになったようです
最初は「う〜ん。ポルシェもその方向か〜。車が私にとってつまらなくなるかもなあ〜」
と思っていました。
でも、よくよく考えてみると、
ポルシェはユーザーを裏切ったことがないメーカーです。
出た時は不評でも、その完成度でユーザーを納得させるだけの車を世に送り出してきました。
そのポルシェが作る電気自動車。それならきっと良いに違いないと思うようになったのです。
ポルシェのこだわり。そこにビジネスが続く秘密が…?
ポルシェというメーカーは世界的にみても、特異な自動車メーカーです。
今は、売上が伸びたので、どうかはわかりませんが、
20年前は生産メーカーであり、研究開発メーカーでした。
世界各国の自動車メーカーから委託を受け、そのメーカーの製品の開発を行なっていて、
その売上は全売上の半分近くを占めていたとも言われています。
また、委託以外にも新技術を研究開発し続けているメーカー。
他の自動車メーカーとは明らかに異なるスタンスのメーカーなんです。
今の販売と研究開発の売上の割合はわかりませんが、
何れにしても売上の多くの部分が(他社と比べて)研究開発による売上になっているメーカー。
それがポルシェがポルシェたる所以でもあるかも知れません。
そのポルシェが作る電気自動車。興味が湧いてきました。
ポルシェの車は「精緻」という言葉が完全にマッチする完成度を誇ります。
工業製品として、開発者がとことん突き詰めて物づくりをしているメーカーです。
なので、電気自動車といえども、その精緻さとユーザーの感性を裏切らない車を作ってくれるのでは!
と期待しているワケです。
ポルシェが生き残っているワケ。
ポルシェが今、生き残っているのは、
ヒットした2車種の車があったからです。
もしそれらの車を出していなかったら、ポルシェはフォルクスワーゲンに間違いなく買収されていました。
売上が伸びす、本当に苦しんでいた時期があったからです。
(とはいえ、今はフォルクスワーゲングループの一員です。買収ではなく、資本提携という形を取っています)
それが、この2車種のおかげで売上が飛躍的に伸び、フォルクスワーゲンがディーゼル問題で売上を落としていた時に
逆にフォルクスワーゲンを買い取るなんて話も出たほどです。
ポルシェは時代の流れを捉え
新モデルを出すことで難局を乗り越えてきました。
それらのモデルはいずれも、従来のポルシェからすると安い車です。
なので、ブランドイメージが落ちる。という声もリリースされた当時はありました。
ですが、その車の完成度の高さで、やはり安くてもポルシェだ! とユーザーを納得させたんです。
むしろ、さすがポルシェと多くの人を唸らせました。
(試乗マニアの私もその一人です)
時代に流れに乗り、ユーザーが納得するクオリティの製品を出す。
これがポルシェが描いた戦略だったように思います。
結果、それはビジネス面で成功を収めたワケです。
そんなポルシェが世に送り出す、電気自動車。
また私のような車好きを納得させてくれるんだろうなあ! と思ったワケです。
時代の流れに逆らうビジネス。時代の流れに乗るビジネス
凄まじい速度で変化していく今。衰退する産業と伸びていく産業があります。
必要なものやサービスはなくなりません。
ですが、なくてもやっていけるもの、困らないものは売りづらくなっています。
また、ちょっと前まで売れていたものが
全く売れなくなっているなんて話もよく聞きます。
(少子高齢化や嗜好の変化などの影響が大きいものが多いようです。)
そんな中、生き残っている歴史の長い企業を見てみると
業種移行というのをうまくやっているケースが多くあります。
例えば、アップルなんかも業種移行かもしれませんね。
今でもパソコンは販売していますが、
今や世界的携帯電話販売メーカーです。
(厳密にいうとメーカーではなくプロデュース企業かも知れません)
スティーブ・ジョブズ氏が、アップルはこれから携帯電話産業に参入するといった時に
多くのアップルの社員は、俺はそんなものを作るためにアップルに入ったんじゃないと
言ったとか言わないとか…。そんなの作ったら、ブランドイメージが下がる! という話も…。
しかし、それが社員たちの予想を裏切り、今や世界トップ2を争う巨大企業に成長しました。
ほんの20年前には世界トップ50に入るか入らないかのメーカーだったアップルは
当時、はるか上にいたトヨタ自動車など製造業の巨大メーカーをあっさりと抜き去ってしまったんです。
そして、ブランドイメージは下がるどころか、逆に向上したと言えると思います。
これは時代の流れに乗った+時代の流れを作ったと言えるではないでしょうか?
もし、あなたのビジネスが衰退している業界であるならば、
何かしらの手立てを作る時かもしれません。
新しいアイデアはアイデアとアイデアの組み合わせから生まれます。
あなたがすでに持っている技術と信念、そして今流れがきている何かを
組み合わせる。
使ってくれるユーザーを納得させる製品を作れれば…。
そんなもんが簡単にできたら苦労しないという声が聞こえてきそうですが、
ビジネスで成功するのはイージーではありません。
ですが、シンプルではあります。
ユーザーが欲しいものを提供できているかどうか?
ユーザーの問題解決をし、欲しかった変化や未来を提供できるか?
それらが大切だと私は思っています。
言葉を変えるのなら、問題解決で終わらせるのではなく、
その先にある、本当に欲しかった変化や未来まで考えて製品やサービスを構築する。
ポルシェもアップルもそれができていたように思います。
そうそう、あとドラマで話題になった即席めんも…。
イージーではありません。ですがシンプルです。
欲しいと思ってもらうにはどうしたら良いか?
どんな商品を欲しいと感じるのか?
それがヒントのような気がします。
追伸
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